■読書犬ブックの評価
タイトル:★★★★☆
著者実績:★★★★★
評価予想:★★★★★
■アマゾンの内容紹介より
経済とは、釣り師とカモの永遠の闘いである!
ノーベル賞受賞経済学者コンビによる、『アニマル・スピリット』の続編。
アダム・スミス「見えざる手」への盲目的な信仰を壊すパワフルな一冊。
賢明で誠実なあの人が、なぜたやすくだまされるのか?
なぜ、不道徳なふるまいをしてしまうのか?
自由市場はすばらしいという「虚構」を明らかにする事例の数々。
すべてのビジネスパーソンに読んで欲しい、本当はこんなに恐い自由市場の話。
●本書の主な主張
・経済システムはごましだらけで、みんなもそれを理解するべきだ
・競争市場は、革新的なビジネスヒーローのやる気を引出し報いるのに長けている
・その一方で、誠実とは言い難い行動を促す圧力も奨励されてしまう
・人々は驚くほどしょっちゅうカモとして釣られている
・カモ釣りは、いたるところに存在している
・私たちの「肩の上のサル」は、私たちに深刻な影響を与える
・悪いのは釣り師ではない。釣られる人々でもない。カモ釣りをうながすシステムだ
・結婚式や住宅購入など、特別な買い物はカモ釣りの絶好の機会だ
・最悪の不景気をいくつも招いた最大の原因は、金融市場でのカモ釣りだ
・健康にとって有害な医薬がいまだに後を絶たない理由もカモ釣りだ
・政治(選挙)は最も単純な釣りを起こしがちだ
・カモ釣りとがんには類似性がある
・経済学者の市場理解には問題がある
■著者について
ジョージ・A・アカロフ
ジョージタウン大学教授。2001年ノーベル経済学賞受賞
ジョージタウン大学教授。2001年ノーベル経済学賞受賞。著書に『アニマルスピリット』(シラーとの共著)、『アイデンティティ経済学』(レイチェル・クラントンとの共著)など。
ロバート・J・シラー
イエール大学教授。2013年ノーベル経済学賞受賞
イェール大学スターリング経済学教授。2013年ノーベル経済学賞受賞。著書に『アニマルスピリット』(アカロフとの共著)、『それでも金融はすばらしい』『投機バブル 根拠なき熱狂』『新しい金融秩序』『バブルの正しい防ぎかた』など。
山形 浩生(ヤマガタ ヒロオ)
翻訳家
1964年東京生まれ。東京大学工学系研究科都市工学科修士課程修了。マサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務するかたわら、科学、文化、経済からコンピュータまで、広範な分野での翻訳と執筆活動を行う。
アカロフとシラーの前著『アニマルスピリット』や、『アイデンティティ経済学』、『それでも金融はすばらしい』を翻訳。クルーグマンほか『国際経済学』、ピケティ『21世紀の資本』、アトキンソン『21世紀の不平等』(いずれも共訳)、ワグナー&ワイツマン『気候変動クライシス』などの翻訳を手がける。
■目次
まえがき 経済はごまかしに満ちている
序章 みんな操作されてしまう:釣りの経済学
第1部 釣り均衡を考える
第1章 人生至るところ誘惑だらけ
第2章 評判マイニングと金融危機
第2部 あちこちにある釣り
第3章 広告業者、人の弱点を突く方法を発見
第4章 自動車、住宅、クレジットカードをめぐるぼったくり
第5章 政治でも見られる釣り
第6章 食品、医薬品での釣り
第7章 イノベーション:よいもの、悪いもの、醜いもの
第8章 たばこと酒と釣り均衡
第9章 倒産して儲けを得る
第10章 マイケル・ミルケンがジャンクボンドを餌に釣り
第11章 釣りと戦う英雄たち
第3部 自由市場の裏面
結論 自由市場のすばらしい物語を見直そう
あとがき 釣り均衡の重要性
謝辞
訳者あとがき
参考文献
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