読書:ぼくの命は言葉とともにある

献本を読んだので感想を書くね。

 

■アマゾンの内容紹介

 

3歳で右目を、9歳で左目を失明、14歳で右耳を、18歳で左耳を失聴し、
 光と音の世界を喪失した福島智氏。氏は当時のことをこう綴っている。

 「私はいきなり自分が地球上から引きはがされ、この空間に投げ込まれたように感じた。
 自分一人が空間のすべてを覆い尽くしてしまうような、狭くて暗く静かな『世界』。
ここはどこだろう。(中略)私は限定のない暗黒の中で呻吟していた」

 著者はまず他者とのコミュニケーションをいかに復活させ、
 言葉=情報を再び得ることができるようになったかを語る。
だがそれはプロローグにすぎず、自ら生きる意味を問い、幸せの在処を探し求める。
その深く鋭い思索の足跡は、両親や友、師との交流に始まり、フランクルや芥川龍之介、
 北方謙三といった人物たちの著書や谷川俊太郎、吉野弘の詩、
はたまた落語にまで及んでいく。

 苦悩の末に著者が見出した生きる意味、幸福の形は読む者にもまた
深い思索をもたらしてくれるであろう。

 人間と人間が本当に繋がり合うとはどういうことか、仲間との信頼関係を築くためには
何が大事かといったことが説得力を持って迫ってくる。


内容(「BOOK」データベースより)

18歳で光と音を失った著者は、絶望の淵からいかにして希望を見出したのか―米国TIME誌が選んだ「アジアの英雄」福島智氏初の人生論。

 

■著者について

 

福島智(ふくしま・さとし)
1962年兵庫県生まれ。3歳で右目を、9歳で左目を失明。18歳で失聴し、全盲ろうとなる。
58年東京都立大学(現・首都大学東京)に合格し、盲ろう者として初の大学進学。
 金沢大学助教授などを経て、2008年より東京大学教授。
 盲ろう者として常勤の大学教員になったのは世界初。
 社会福祉法人全国盲ろう者協会理事、世界盲ろう者連盟アジア地域代表などを務める。
 著書に『生きるって人とつながることだ! 』(素朴社)『盲ろう者として生きて』(明石書店)などがある。

 

■目次


◎第一章 静かなる戦場で
◎第二章 人間は自分たちが思っているほど強い存在ではない
◎第三章 今この一瞬も戦闘状態、私の人生を支える命ある言葉
◎第四章 生きる力と勇気の多くを、読書が与えてくれた
◎第五章 再生を支えてくれた家族と友と、永遠なるものと
◎第六章 盲ろう者の視点で考える幸福の姿

 

■読書犬ブックの感想

 

障害者の方が書いた本は、過去に何冊か読んだことがある。この種の本には、障害による苦悩を乗り越えたストーリーが含まれているので、障害者だけでなく、健常者にも勇気を与えてくれる。でも、僕は違和感を感じることが多い。

 

献本としてこの本「ぼくの命は言葉とともにある」を手に取ったとき、帯にある作家北方謙三氏の言葉「福島先生の言葉は、鼓動である。」や、「米国TIME誌が選んだ「アジアの英雄」福島智氏初の人生論」という紹介文が目に入ったけど、先入観のためか記憶にはとどまらなかった。でも、この本を読み、あとがきの中で、「福島先生の言葉は、鼓動である。」という言葉を目にしたとき、涙があふれた。そして、福島先生は、盲ろうにより放り出された宇宙からの帰還者であり、確かに「英雄」だった。

 

著者は、この本の中で、盲ろう者となって考えたことを素直に語っている。前半は哲学的だけど、後半は彼を支えた意外なもの(SF小説、ハードボイルド小説、落語など)に言及されているので、楽しく読めるよ。読書犬ブックの評価は、文句なしの★★★★★。

 

 読書犬ブックの成功法則

1.本物のビジネス書を読む

2.記憶に貼り付ける

3.素直に実行する

 

 

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